三二、幽霊石

永泉寺本堂の西に、本堂と並び続いて小さな古めかしい墓石がある。

倉賀野城最後を飾った城主金井淡路守の標である。ここには金井氏一族、家老等の墓もある様だが、一番西にある見るからに妖気を漂わして、奇怪な感をもたせるものがある。眼も口もあり、鼻さえあるが人の顔とも思われず、いつどこから見ても自分の顔ばかりをねめつけている様に思われてならない。誰いうとなしに幽霊石と言った。

絵

この石について和尚さんは、
「その昔、城主金井淡路守の奥方を葬ろうとしてここの近くに穴を掘った。するとちょうど、その穴の中から、この石が出て来たと言うのである。自然に出来た物か、それとも誰かが、亡霊の供養にでも立てて、

それが埋まっていたものか、兎に角不思議なものです。

 時折、寺へお詣りに来る者が立ち上がっては何事かささやいております。最近では線香の煙もよく立ち昇っております。」と、  

又一説に
あの幽霊石を青年が時々持ち出すと言うのであったが、不思議な事に必ず又永泉寺へ帰っていると言うのである。和尚さんは、もう持ち出せない様にと、只今ではコンクリートで、しっかりと取り付けたというのである。

地蔵
古地図
現地図